中小企業の成長株を狙うファンダメンタルズ重視の本☆☆☆☆

山口揚平の著書.小型割安成長株に投資をする事を主に進めており,ファンダメンタル分析を十分に行う事で投資をしていくスタイルである.著者はM&Aに従事していた経験から,企業分析の能力に長けている.なかなか企業の分析をする事は難しいが,考えるべきポイントを整理して教えてくれているため少しは分析力が身に付くかもしれない.なおチャートに関する記述はないので買い時については他の書物で補完する必要がある.

投資スタンス

まずざっくりと企業を絞り,企業価値分析を行う.企業価値は事業価値と財務価値に分けられる.まず事業価値は営業利益の10倍とざっくり考える.自己資本比率が低い場合は株主数が少なく一人当たりの利益が増えるので営業利益の8倍程度,逆に自己資本比率が高い場合には12倍程度としても良い.次に財務価値は「流動資産-1.2*流動負債+投資その他の資産」で計算できる.流動資産の1.2倍流動負債があるというのが日経225(だったか忘れたが)の平均であるため,それ以上持っている場合は財産であると見なしても良いであろうという考え方である.あとはじっくりと企業を分析する.事業価値と財務価値では事業価値が優れている方が株価が反映されやすい.財務価値だけでは買収などのトリガーが株価上昇には必要となりなかなか上がらないため精神的によろしくない.

要求レベル

コンサルタントでもなければこの本に書かれていることをまともに行う事はできないため,一般のサラリーマンでは無理である.しかし考え方は参考になるので勉強のため隅々まで目を通しておく事は悪い事ではない.

企業の価値の源泉を見抜くメモ

1.何でその企業は稼げているのか,なぜ稼げているのか?,これからいくら稼げるのかなどを考える.
2.市場の魅力度を探る,パイは広がっているのか?新規参入の容易さは?
3.ビジネスモデルは有効か考える.横展開の可能性(違う商品を同じ人に売ることができるか?,同じ商品を他の人に売ることができるか),利益率が高いか?(高いモデルでは,ブランドロイヤリティがある.業務効率が良い.フランチャイズや財務レバレッジを使用している.誰にもまねができない,即ち知的財産を保有しているの4つが考えられる)